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2018-11-16
18年11 月19 日情報 NEW
2018-05-21
特集1 中国の鉄鋼過剰生産と鉄スクラップ需給(18年5月)  
2018-05-21
特集2 改正廃棄物処理法と届出除外対象について(18年5月)  
2018-05-21
特集3 中国の輸入廃品検査と新基準及び現代製鉄の検収強化(18年5月)  
2018-05-21
特集4 改正バーゼル法と雑品ヤード規制、日本鉱業協会の動き(18年5月)  
2017-06-21
雑品ヤード規制(バーゼル条約)と廃棄物処理法改正について  
2017-05-28
雑品を「有害使用済機器」とし廃棄物処理法で規制-その解説(1)  
2017-05-28
雑品を「有害使用済機器」とし廃棄物処理法で規制-その解説(2)  
2017-05-28
雑品を「有害使用済機器」とし廃棄物処理法で規制-その解説(3)  

社史作成

英文翻訳

鉄スクラップ総事典

鉄スクラップ史集成

スクラップ業者現代史

スクラップ業者列伝

 

雑品を「有害使用済機器」とし廃棄物処理法で規制-その解説(1)

雑品を「有害使用済機器」とし廃棄物処理法で規制-その解説(1)

 

改正法要綱 http://www.env.go.jp/council/03recycle/y030-19b/ref01_2.pdf

 

解説

 

17条の2を追加新設=現行廃棄物処理法第17は「ふん尿は、環境省令で定める基準に適合した方法によるのでなければ、肥料として使用してはならない」だけだが、今回改正法は、「17条の2」として「有害使用済機器」の取締りを追加する。「有害使用済機器保管又は処分の保管又は処分を業」とする者を新たに規制対象とするものである

 

17条の2 第1項(「有害使用済機器」の定義と保管・処分業の知事届出義務)=「使用を終了し、収集された機器(廃棄物を除く)のうち、その一部が原材料として相当程度の価値を有し、かつ、適正でない保管又は処分が行われた場合に人の健康又は生活環境に係る被害を生じるおそれがあるものとして政令で定めるもの(これが「有害使用済機器」の定義)」の「保管又は処分を業とする者」は都道府県知事に届け出なければならない。

 

▽第2項(政令基準の遵守義務)=「有害使用済機器保管等業者」は、「政令で定める有害使用済機器の保管及び処分に関する基準に従い」保管又は処分を行わなければならない。

 

▽第3項(行政処分)=都道府県知事の報告徴収、立入検査、改善命令、除去等の措置命令は、有害使用済機器の保管又は処分を業とする者について準用し、処罰の対象とする。

 

■施行は184月の予定=日本鉄リサイクル工業会(17328日)、HP広報によれば、雑品等の規制を目的としたバーゼル法及び廃棄物処理法の改訂は、「順調に行けば6月頃衆参両院で可決され、早ければ184月から施行される」段取りである。

 

■鉄スクラップ類ビジネスの国際(貿易)化と生活環境保全-その背景として(解説)

17条の2 第1項は「人の健康又は生活環境に係る被害を生じるおそれがあるものとして政令で定めるものの保管又は処分を業とする者は、あらかじめ都道府県知事に届け出なければならない」とするから、有害使用済機器の定義、保管・処分の規定如何によっては、専業者のみならず一般ヤード業者も、届出と規制・処罰の対象となる可能性は否定できない。

 

廃棄物制度の「見直しの方向性」が言うように「スクラップヤードにはある程度広域的な範囲から物品が持ち込まれている実態」があるから、予め専業者、一般業者として届出区分することはできない。ただ「見直しの方向性」は「生活環境の保全上の支障が生ずるおそれがない金属スクラップの再資源化を阻害することのないよう、留意をすべきである」と一定の歯止めをかけるが、「保管と処分」を一律に規制するから(政令が規定する)物の形状、数量によっては、それに係わる者すべてが改正法の視野に入る恐れがある。

***

金属スクラップ業は廃棄物処理法14条但書により、同法の許可無く業を行うことができる。しかし自動車リサイクル法は、使用済み自動車を廃棄物とみなし(法121条)、今回の処理法改正案では「有害使用済機器」を「人の健康又は生活環境に係る被害を生じるおそれがあるものとして」その「保管又は処分を業とする者」を規制の網に絡め取った。

 

これは「生活環境の保全」を目的に制定された鳥取県の「使用済物品等放置防止条例」(164月施行)と同じ構図である。17条の2の第2項、3項により、特定物の「保管と処分」のありようが、都道府県知事による報告徴収、立入検査、改善命令、措置命令の対象となり、罰則の対象となった。つまり「使用済(金属)物品」は、狭い地域限定の条例規制と共に、今回は「有害使用済物品」として国法(廃棄物処理法)による全体規制となった。

鉄スクラップ類ビジネスの国際(貿易)化は、流通全域(国内流通、貿易流通)の法的適正化とその実効性を求める。それが今回のバーゼル法、処理法改正の背景にある。

 

 

資料 バーゼル法と雑品ヤード(廃棄物処理法改正)規制の動きを整理する

 

1 中央環境審議会循環型社会部会が17214日大臣答申を行った。

 

■経緯=「有害廃棄物の国境を越える移動」を規制するバーゼル条約は1992年に発効し、日本は「特定有害廃棄物等の輸出入等の規制に関する法律」(「バーゼル法」)を同年制定した。以来20年以上が経過し、使用済鉛蓄電池や雑品スクラップなどが、輸出先国で不適正に処理される事案や使用済電気電子機器がバーゼル法手続を経ずに輸出され、シップバックされる事案や、また廃電子基板等の輸入に関し、諸外国に比べ煩雑な手続が要求されることなどから、国内リサイクル事業者が国際競争で不利益を受ける問題が生じている。

そのなか165月、G7富山環境大臣会合で電気電子廃棄物等の輸出入の適正化を図り、国際的に協調して資源効率性や3R に取り組む「富山循環フレームワーク」が採択された(注1)。同年6月、「国内外で発生した二次資源(使用済鉛蓄電池、電子部品スクラップ等)について、必要な措置を講じる」ことが閣議決定された(注2・日本再興戦略2016)。

これらを踏まえ169 月、中央環境審議会循環型社会部会に「特定有害廃棄物等の輸出入等の規制の在り方に関する専門委員会」が設置され同10 月、産業構造審議会廃棄物・リサイクル小委員会に有害廃棄物等越境移動ワーキンググループ(以下WG)が設置された。その後、専門委員会及びWGは合同で議論を重ね17131日、議論を取り纏め2月14日、中央環境審議会循環型社会部会は「廃棄物処理制度の見直しの方向性」と「特定有害廃棄物等の輸出入等の規制の在り方の見直しの方向性」を合わせて環境大臣に意見具申した。

http://www.env.go.jp/council/toshin/t03-h2801.pdf(バーゼル法)

http://www.env.go.jp/council/toshin/t03-h2802.pdf(廃棄物処理)

http://www.env.go.jp/council/03recycle/y030-19b.html(社会部会17年3月29日資料)

 

注1 富山物質循環フレームワーク17131日 合同会議添付資料

G7富山環境大臣会合(2016515-16日)のコミュニケ附属書として採択。

G7として、「共通のビジョン」を掲げ、持続可能な開発目標(SDGs)及びパリ協定の実施も見据え、国際的に協調して資源効率性や3Rに取り組むという国際的枠組。

2.G7メンバーによる野心的な行動=目標2:グローバルな資源効率性・3Rの促進

具体例:電気電子廃棄物(Ewaste)の管理=▽特に電気電子廃棄物について、廃棄物と非廃棄物を識別するため、また適正なルートで行われる回収、リユース及びリサイクルの割合を向上させるとともに違法取引を防止する水際対策の実効性を高めるため、既存のアプローチを共有し、国際的な協調行動を強化する。▽特に廃棄物を環境上適正に管理する能力を有しない国から必要な能力を有する国への有害廃棄物の輸出に関しては、関係する国内・国際規制に従って行われる限り、有害廃棄物を安全に管理する能力を有しない国に能力開発のための時間的余地を与える等、環境と資源効率・資源循環に寄与するものであることを認識する。▽電気電子廃棄物の適正な回収、リユース及びリサイクル推進のための各国のイニシアティブや基準、環境上適正な管理や適用可能な技術についての情報交換を活性化させる。

 

注2 日本再興戦略2016 (平成2862日閣議決定)(抜粋)=「国内外で発生した二次資源(使用済鉛蓄電池、電子部品スクラップ等)について我が国の誇る環境技術の先進性を活かしつつ非鉄金属のリサイクルを着実に進めるため、特定有害廃棄物等の輸出入等の規制に関する法律(バーゼル法)における規制の在り方等について、本年度中に検討を行い、その結果を踏まえ、早期に必要な措置を講じる」。

 

2 特定有害廃棄物等の輸出入等の規制(バーゼル法)を見直す

 

 http://www.env.go.jp/council/toshin/t03-h2801.pdf

*以下は131日報告の主要項目を抜粋したものである。

 

(2) 輸出に係る具体的な課題と見直しの方向性

 

1 使用済鉛蓄電池

 

■現状=使用済鉛蓄電池は、バーゼル法では、特定有害廃棄物等に該当し、輸出承認が必要とされている。一方、廃棄物処理法では、相場状況により総合的に判断して廃棄物処理法上の廃棄物に該当しないとして廃棄物処理法の規制を受けていないものが多い。▽近年、使用済鉛蓄電池の韓国向けの輸出は増大しており、国内発生量の約4割に及ぶとの推計もある。同電池の輸出は全てが韓国向けで、その量は我が国からの特定有害廃棄物等の全輸出量の56%を占めている(平成27年)。OECD加盟国である韓国向けのリサイクル目的での輸出であるため、バーゼル法の輸出承認に際し環境大臣の確認は不要とされている。

 

■見直しの方向=大量の使用済鉛蓄電池が輸出されていた韓国において不適正処理が発覚した(平成28年)ことを踏まえると、我が国からの特定有害廃棄物等の輸出について輸出先国がOECD 加盟国である場合にも、OECD 加盟国と非加盟国との違いを考慮に入れつつ、輸出先の処理施設の環境汚染防止措置の状況等に不適正処理が疑われるような場合には、環境上適正な管理が確保されているかどうかを審査することができるようにすべきである。

 

2 雑品スクラップ

 

■現状=雑品スクラップは、廃棄物処理法上の廃棄物に該当しないとして扱われる場合があるため、廃棄物処理法に基づいて取り締まることができないことがある。また有害物質が一定割合以上含まれている場合には、バーゼル法に基づき輸出承認手続が必要となるが、その判断が難しく、バーゼル法手続を経ずに輸出されていると指摘されている。

 

■見直しの方向=①規制対象物の認定 規制対象物(廃電子基板、廃電池等)と規制対象外の物(鉄スクラップ、プラスチック片)との混合物(だから雑品)は、客観的かつ短時間で規制対象物に係る判断が行えるよう、範囲の明確化と判断基準の整備を行うべきである。

②規制対象物の法的根拠の明確化 規制対象物は行政官庁で告示(サービス告示)しているが、バーゼル法には制定の根拠がないため、明確な根拠を定めるできである。 

③廃棄物処理法等の他法令との連携 雑品スクラップの不適正な保管等への対応も絡め、廃棄物処理法等の他法令と連携した総合的な対策(取締り)を進めるべきである。

 

3 シップバック問題

 

現状=香港向けに輸出した中古電気電子機器が、香港側では有害廃棄物等に該当するとしてシップバックの通報を受けた事例が20 件発生した(平成27年度)。我が国では当該機器は再使用目的であることから特定有害廃棄物等には該当しないとしたのに対し、香港当局がバーゼル条約対象物と判断した事例である。バーゼル法では、輸出者等に対して貨物の回収を含めた措置命令を発することができる。ただ貨物が輸出先国に留まった状態のまま、それが措置命令の対象に当たるかどうかを確認することは、非常に困難な場合がある。

 

■見直しの方向=輸出貨物が現地にある状態のままでも、措置命令等の対応を行えるよう、日本のバーゼル法の規制対象かどうかを判断できる基準を策定するとともに、諸外国との政府間ネットワークの強化等を行うべきである。また輸出先国でバーゼル条約対象物であることが明確な場合は、当該輸出先国向けはバーゼル法規制対象物と検討すべきである。

 

4 OECD 加盟国向け輸出手続の簡素化

 

■現状=EUでは、「事前の通告及び同意」手続が必要なアンバーリスト対象物でも、輸入国によって環境上適正な処理が行われることが予め確認される事前同意施設で処理する目的でOECD加盟国に輸出する場合には、最大3 年間の包括的な同意を与えることができる(OECD決定)などの特例措置を設けることで、輸出手続の簡素化を実現している。

 

■見直しの方向=OECD 加盟国を仕向地とするアンバーリスト対象物の輸出であって、事前同意施設処理を目的とする場合、輸出手続を簡素化(3 年間の包括同意等)すべきである。

 

5 廃棄物処理法とバーゼル法の輸出における二重手続の改善

 

■現状=廃棄物処理法上の廃棄物及び特定有害廃棄物等のいずれにも該当する物を輸出する場合は、両法の輸出手続を経る必要があり、手続が長期化する課題が指摘されている。

■見直しの方向=両法に基づく審査内容を点検し、その統一化を図るべきである。