スチールストーリージャパンホットニュース

 

   
hotnews

2018-05-21
鉄リサイクル業の現在及び将来を考える(18年5月)  
2018-04-07
有害使用済機器の保管等に関するガイドライン(第1版)平成30 年3月環境省  
2018-04-05
改正廃棄物処理法のうち、雑品等の保管に関する法令・処罰まとめ  
2018-02-16
改正バーゼル法検討会が18年1月9日「とりまとめ」を報告した  
2018-01-04
2018年 鉄スクラップマーケット概観  
2017-02-03
岐阜県の「使用済金属類営業条例」を考える  
2016-12-26
2017年・鉄スクラップマーケット展望(冨高試論)  
2017-01-13
鉄スクラップ業と「社会的信認」を考える  
2016-12-27
鉄屑カルテルから鉄鋼公開販売まで(1)  
2016-12-27
鉄屑カルテルから鉄鋼公開販売まで(2)  
2016-12-27
復活する金属屑営業条例(1)  
2016-12-27
復活する金属屑営業条例(2)  
2017-02-06
復活する金属屑営業条例(3)  
2016-11-28
一言コメント アーカイブ  
2016-07-22
鉄スクラップビジネスの経営戦略(提携・買収が進む。16年7月)  
2016-05-30
なぜ相場が安いのか(16年5月 講演会より)  
2015-12-26
2016年鉄鋼・鉄スクラップマーケットをどう見るか  
2016-02-10
鳥取県「使用済物品放置防止条例」案を可決・成立(追加)  
2015-11-03
企業経営、組合活動はどうあるべきか  
2015-10-22
「鋼材デフレ」と「鉄鋼集約効果」、「業者の合従連衡」を考える  
2015-07-06
「高炉・鉄スクラップ使用の歴史的推移と今後」私論(15年7月)  
2015-07-21
「無料回収」と「無許可」営業問題を考える(7月追加・改訂)  
2015-07-21
15年:鉄スクラップ相場の枠組みと「試算式」(6月22日改訂)  
2015-06-22
経産省「金属素材競争力強化プラン」(2015年6月19日)  
2015-06-23
放射能検査と鉄スクラップ輸出(増補・改訂。最新版6月22日改訂)  
2015-04-17
電力料金値上げと電炉再編を考える(4月15日増補)  
2015-03-24
世界の鉄スクラップ相場も「新常態」へ  
2015-12-05
千葉県、「特定自動車部品ヤード保管条例」を15年4月施行  
2016-11-03
金属類営業条例とは何か  
2015-08-20
リサイクル関連・各種法制  
2014-09-10
自動車リサイクル、国及び自治体の規制  
2014-08-03
自動車解体・部品ビジネスのいま  
2014-09-10
日本の鉄スクラップ輸出環境を考える  
2015-08-20
家電、小型家電リサイクルと廃棄物  
2014-07-03
いわゆる「市中品薄」を考える  
2014-08-22
再生資源業界・最近小史(明治~現在)   
2014-10-15
放射能汚染と検知器導入を考える  
2014-07-04
計量単位・C&F、FOB、FAS関係式  
2014-07-03
鉄スクラップ、レアメタル商品特性  
2016-07-29
基本データ(数量、組織、情報入手)  

社史作成

英文翻訳

鉄スクラップ総事典

鉄スクラップ史集成

鉄スクラップ業者現代史

近現代日本の鉄スクラップ業者列伝

 

一言コメント アーカイブ

 1126日 政治が経済を振り回す時代に-英国、米国の選挙とその後(2)

トランプが米国大統領選挙を制した。2度目の「まさか」が現実となった。予想に反してNY株価は選挙後、連日の史上最高値を更新している。米国では新大統領就任後の3ヶ月間は、うるさいマスコミも黙って新政策を見守る。その「100日間計画」の目玉が、連邦法人税率を35%から15%に引下げる企業税制改革と10年間で1兆㌦という戦後最大のインフラ投資など。NY株価はトランプ流「ニューディール政策」の期待に沸いた。企業減税は投資所得の多い富裕層を喜ばせ、ニューディール政策は労働所得を減らし続けてきた白人中間層に雇用機会を与えるだろうからだ。

しかし、それらはいずれも「米国第一」の政策。トランプが選挙公約に掲げた排外的な移民政策、国内雇用優先の対外貿易、費用対効果優先の安全保障など、世界経済、世界秩序との関係は不透明なまま、世界は確実に4年間の不確実な時代に入った。

大衆迎合的な政策が、一国至上主義(英国第一、米国第一)を産み、これに続く保護貿易主義が全体としての経済調和を破壊する。それが個々のビジネス(生活)の現場にどのような影響をもたらすのか。しかし明日もまた、陽は昇る。未来を信じる楽観を信じる。

 

1110日 政治が経済を振り回す時代に-英国、米国の選挙とその後(1)

トランプが米国大統領選挙を制した。トランプ・リスクが現実のものになった。
英国のEU離脱の可否を問う国民投票に続く、むしろそれ以上の「恐怖」の予感に「西側諸国」(新冷戦の時代だそうだ)は震えあがった。開票状況を見守っていたインターネットは、世界の経済・政治・文化の、その全ての根底が、この「事件」で破壊的に揺らいだと報じて、止まない。我々は「衆愚政治」の歴史的な局面に立ち向かっているのだと。
***
政治のプロの読みが、マスコミの分析が、世の常識が、無力化した。これは何か。
英国のEU離脱の根底にあったのは、貧困階層の既存政治への反発(移民問題はその変数)。今回の米国選挙も、おそらく同様の分析で括られるだろうが、これは「東西問題(イデオロギー対決)」なきあとの「南北問題(貧富の格差の対立)」そのものではないか。ピケティーが引き起こした1%対99%の所得格差が示す世界的な南北問題だ。
今回の「事件」はIT時代の経済発展に取り残された、膨大な貧困層の「選挙を通じての異議申立」、一種の「革命」に近いなにものかが、相次いで起こったと予感させる。
経済はその政治にやがて従う。鉄スクラップも無縁ではない。そのことを考えた。

 

1019日 風が吹けば桶屋が儲かる-原料炭と鉄スクラップ

難航していた高炉の強粘炭1012月期契約交渉は、スポット価格200㌦台上昇に押されて、トン当たり200㌦FOBで妥結した。前期(92.5㌦)比107.5㌦、2.16倍。20104月に四半期値決めに移行して以来の最大の上げ幅、率となった。▽200㌦に乗ったことは自体は驚くべきことではない(年間契約だった2008年度価格は前年度比3.06倍の300㌦、四半期制に移行した1146330㌦)。露天掘りが主力の原料炭は天候に左右され、不可抗力宣言が頻発される「お天気産物」だからだ。問題は近年の資源安のなかで資源メジャーが体力を消耗し、弱肉強食の資本の論理から、一段と資源の寡占化が進みそうなことだ(アングロ・アメリカンの原料炭権益の売却)。価格の拘束を嫌うメジャーは(一定の関与可能な)「スポット市場」価格での交渉を広げている。それは今後の値決め交渉では、需給動向と同様に「市場動向」が重要な要素になるということだ。

それは同時に、高炉関係者にとって、従来以上に鉄スクラップが原料としての重要度を増した、ということだ。鉄スクラップは安ければ使う。原料炭が高炉原料の「天井」を高くすれば、鉄スクラップの伸びしろは、確保される。風が吹けば桶屋が儲かるのだ。

 

921日 鉄鋼暴発の危機と世界経済の混迷が同居

世界の鉄鋼・鉄スクラップ相場は、データ的に見れば平時ではない。各種資料(「世界の鉄スクラップ需給動向」16年版3135p)は、現状の鉄スクラップ国際価格が、リーマンショック以来の安値にあることを示している。原油価格は3年前の半値の50㌦前後、鉄鉱石も同じく半値圏の60㌦前後から抜け出せない。世界粗鋼生産は15年が前年比2.9%減、167累計生産が前年同期比1.2%減で、生産規模は縮小、そのなかで中国が突出し、世界鉄鋼需給は保護貿易爆発の一歩手前まで緊張感が高まっている。▽ただ、現状の鉄スクラップ価格が危機的状況かと言えば、「需給の縮小均衡」効果で「低位安定」し、ことに日本に関しては、周辺諸国の鉄鋼業への「テークオフ(離陸)」政策から高炉鋼材の輸出、鉄スクラップの船積み増加の恩恵を受けているかに見える。▽問題は、鉄鋼・鉄スクラップ価格を、リーマンショック以来の安値に押し込めている「世界経済」の今後の行方である。英国のEU離脱、中国の財務体質、米国の金利引き上げ、日本の黒田ミクスを含め、すべてが不透明の霧の中だ。鉄スクラップは、世界経済の低い天井と狭い檻の中で、今後、数年を過ごさなければならないだろう。▽それがマイナス金利が、パラドックス的に示す鉄スクラップ市况の姿である。

 

7月6日・No26鉄スクラップビジネスをどう捉えるのか 違法には誠意で対抗しろ

ある講演会で「なぜ品物が少ないのか」の説明として、絶対量の減少(輸出比率は9394年平均25.5%→13年~14年平均41.1%で15ポイント以上も増加→国内発生の減少)と相対量の変化(流通・発生ルートが、川上・川中・川下の各段階で変化)を概説した。また「川下の変化」として「路上回収の増加」を取り上げ、そのマーケット変化の生き残り対策として、自らの「ビジネス」(工夫・才覚、自助努力)を鍛え上げる必要を指摘した。が、これが誤解を生んだ。現に一部で違法回収が横行している。そのなかでの「生き残り」とは、違法をも呑み込んだ商売に走れ、と聞こえる。それで良いのか・・・と。

利害が錯綜した実際の現場問題には、実務的な回答などはない。商売をどう捉えるのか。自身の立つその地域、従業員、家族との関係をどう考えるか。それは利益率と商売の関係と同じだ。最高の利益率を目指すのなら、一夜、その場限りの屋台商売でいい。

しかし暖簾を掲げ、客を迎えるのなら、信用・信頼こそを目指すべきだ。違法回収が横行し、採算悪化に疲弊しているとしても、歯を食いしばれ、試練を乗り越えろ、と敢えて私は言う。鉄スクラップビジネスの裾野は、揚々と洋々と広いのだ。

努力と誠意は報われる。それもまた世間。信頼の力を侮ってはならない。

 

鉄スクラップは政治状況を敏感に映す

絶海の孤島で、ただ一冊の書物を読むとしたら、との問いに「鉄スクラップ相場紙を」と答えたというバーナンキ前FRB議長にまつわる逸話がある。真偽は不明だが、近代の全産業、生産活動の初発・市中資源としての鉄スクラップの市況先行性と指標性を的確に言い当てたものとして、現代の伝説になった。

▽その世界の鉄スクラップが、中国発の鉄鋼過剰生産、EU発の世界経済減速(供給過剰と消費過小→保護貿易の台頭)など経済要因から圧迫され、次いで英国のEU離脱、米国大統領選挙(大衆迎合、ポピュリズム台頭)など政治に揺さぶられている。中央銀行による不況対策から金利は、歴史的な水準に陥没し、貿易決済手段として価値中立的な為替も(金利や政治変動に連動する形で)、リスク要因として浮上した。鉄スクラップも単に経済要因だけで見通せない、政治の時代に入ってきた。

 

6月22日・No24=マーケットとビジネスと不都合な真実と

筆者(冨高)の持論は「マーケットとビジネスは違う」である。マーケットは万人に同じ条件を与えるから天気と同じ。ビジネスは個人の創意・工夫に係わる個人的決断。マーケットとビジネスの関係は、嵐の中(マーケット)でミカン船をこぎ出した(ビジネス)文左衛門の決断に同じ。それが「紀文一代出世」を生んだ。▽2007年のサブプライムローン・バブル崩壊以来、08年リーマンショック、10年欧州ソブリンリスク、11年資源・中国バブル、13年米国大量資金供与、15年資源・中国バブル崩壊・・・世界は、従来の経済・財政手法が通用しない混乱の中に置かれた。経済破綻は弱者を直撃する。それが現状破壊をスローガンとする大衆迎合政治家を台頭させた。1929年大恐慌とナチス登場の歴史に重なる。▽過去の歴史が教えるものは、世界経済の萎縮は「通貨安」と「保護貿易」への衝動を生む。マーケットは、まさに嵐の前の静けさのなかにある。では、ビジネスは如何にあるべきか。それが不都合な真実を前にした、経営者の今と将来を決める。

 

6月15日・No23世界経済は指導者不在のリスクに直面する(累卵の危機)

世界経済の先行きは、日米欧それに中国や新興国を含め、全くの視界不良が続いている(欧州は長期低迷、英国はEU離脱、米国は金利引き上げ、中国は経済減速、日本は円高再来)。主要先進国で、過激なポピュリズム(人気取り政策、指導者)が台頭し、穏健な民主主義理念を危うくするのみならず、経済的な混乱をもたらす危険が急速に高まった。

価格は経済原則に則り①コスト、②為替(決済手段)、③需給の3要素で決まる。①鉄鋼コストは、採掘・加工・輸送の総和だから、エネルギー価格の始発相場である原油価格に相関する。②為替は、ゼロサム(総和ゼロ)。世界不況の現状は事実上の「為替安競争」でババ抜きゲームに近い。③鉄鋼需給は、07年に始まったサブプライムローン問題(米国バブルと崩壊→中国バブルと崩壊)を引きずり「資源デフレ、製品デフレ」の袋小路に入った(それが中国鉄鋼過剰生産を生んだ)。その隘路打開は強力なリーダーシップと世界的な連携が求められるが、今、その指導者不在のリスクに直面しているのだ。

 

何ごとも大局 経済原則か考える

5月末、私はある講演会で、最近の鉄スクラップ事情を語った。冒頭、昨年、5月同じ講演会で、冨高私見として述べた資料を再引用した。

即ち「世界の鉄スクラップ相場も「新常態」へ」であるhttp://www.steelstory.jp/ja/market.html?kind=1&no=71

各論としては、1「逆オイルショック」と「ドル高定着」(世界は新価格体系へ移行)、2 中国要因(その製品輸出・価格動向)、3 日本要因(鉄鋼集約・「需要に見合った生産」、業者・価格調整機能失調、4 資源バブル終焉(逆有償脱出後~BRICS登場以前)相場であり、日本の鉄スクラップ相場は「逆有償脱出後~BRICS登場以前」の水準に戻る公算が大きい。H2炉前価格で見れば「2万円±5千円」の世界(200304年)である。その上で、今年16年マーケットに触れ、「なぜ相場が安いのか」と分析した。